少年事件とは?息子・娘が逮捕されたら?

少年事件とは?息子・娘が逮捕されたら?

ある日突然、警察から「お子さんが逮捕されました」と連絡が来たら、誰しも動揺し、どう対応すべきか分からなくなるものです。未成年者による事件は「少年事件」として扱われ、成人とは異なる手続きが取られますが、その内容は決して軽いものではありません。対応を誤れば、将来に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。

この記事では、少年事件とは何か、逮捕後の流れや処分の種類、親として取るべき行動について、わかりやすく解説します。

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目次

少年事件とは

少年事件とは、20歳未満の少年が起こした犯罪や非行について扱われる事件です。成人の刑事事件とは異なり、少年法が適用され、「処罰」よりも「更生」を重視した対応がなされます。たとえ刑法に触れる行為であっても、家庭裁判所での少年審判を通じて、再犯の防止や社会復帰を目指した処分が検討されます。軽微な非行から重大な事件までが対象となり、家庭環境や性格、反省の度合いなども判断材料となります。

なお、近年、選挙権や民法における成年年齢が18歳に引き下げられましたが、少年事件における「少年」は20歳のままで、18歳・19歳については少年法における「特定少年」として取り扱われます。

逮捕された少年はどうなるのか

少年が逮捕された場合、まず警察によって取り調べが行われ、検察に送致されます。警察で最大48時間、検察で最大24時間の計72時間、身柄を拘束されます。検察が勾留を請求すると、最長20日間(特定の事件では23日間)身柄拘束が続きます。

犯罪の嫌疑がある場合には必ず家庭裁判所に送致することになっており、家庭裁判所で少年審判が行われます。家庭裁判所に送致された後は、少年鑑別所に送致される観護措置が講じられることが多く、身柄拘束が続きます。ここで行動観察が行われ、性格や再犯リスクなどの判断材料とされます。その後、犯罪の内容悪質性少年の性格家庭環境などを総合的に考慮して、少年審判によって処分が決められます。

少年審判の処分の種類

少年審判の処分には次のものがあります。

不処分

調査や審判の結果、本人に反省の態度が見られ、再犯の可能性が低いと判断された場合には、「不処分」となることがあります。これは、保護処分も科されず、事実上の「おとがめなし」とされるものです。前歴としては残るものの、前科にもならず、進学や就職など社会生活への影響を最小限に抑えられます

保護観察処分

保護観察処分は、「社会内での更生が可能」と家庭裁判所が判断した場合に出される処分です。少年は施設に収容されることなく、通常の生活を送りながら保護観察官の指導を受け更生を図ります。進学や就職など社会生活への影響も軽微です。

少年院送致など

再犯などのおそれがあり社会生活での更生は難しいと判断された場合、少年院児童自立支援施設に送致されて、矯正教育を受けます。これらの施設で矯正教育と社会復帰支援を受けて更生を目指します。原則として20歳まで少年院で矯正教育を受けることになり、進学や就職などに大きな影響を及ぼします

逆送 ― 少年刑務所への収監

刑事処分が相当と判断された場合には、事件は検察に送致されます。家庭裁判所から検察官に再度送致されるため「逆送」と呼ばれます。この場合は成人と同様に刑事裁判が行われ、有罪となれば少年刑務所などに収監されます。有罪となれば「前科」がつき、社会復帰に重大な影響を及ぼすため、何としても避けなければなりません。

少年事件になった場合の対応方法

少年事件になった場合の対応方法は次の通りです。

逆送され刑事事件となると前科がつくので避けるべき

少年事件で最も避けたいのが逆送によって刑事事件として処理されるケースです。逆送されると、成人と同じように刑事裁判が行われ、前科がつきます。前科は社会的信用や就職、進学に長期的な悪影響を及ぼすため、何としても避けなければなりません。

少年院送致も社会生活に対する影響が大きい

少年院に送致されると、進学や就職に支障が出るなど、社会生活に大きな影響を及ぼします。経歴に空白期間が生じたり、送致された事実が知られて、実質的に不利な扱いを受けることも少なくありません。そのため、少年院送致はできる限り避けるべき処分といえます。

不処分・保護観察処分としてもらえるようにする

処分が下されない場合や、保護観察処分のように元の生活に戻れる場合は、逆送や少年院送致と比べて社会生活への影響が少なくて済みます。そのため、少年事件となった場合には、不処分や保護観察処分を目指すことが重要です。

そのためには、本人の反省の態度と、家族による協力体制が非常に大切になります。初犯であり、非行の内容が軽微であれば、処分の軽減が期待できるでしょう。また、学校や地域での生活態度の改善再発防止策の提示誓約書の提出なども有効な対応です。

なお、どのような対策が有効かはケースによって異なるため、弁護士に相談しながら、より軽い処分につながるよう適切に対応していくことが大切です。

まとめ

少年事件は、成人の刑事事件とは異なり、更生を目的とした制度です。しかし、適切な対応をとらなければ、逆送されて前科が付いたり、少年院に送致されて長期間身柄を拘束されるなど、重大な結果につながるおそれがあります。

そのため、逮捕後はできるだけ早く弁護士に相談し、不処分や保護観察処分となるように適切に対応することが大切です。

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