営利目的で薬物を所持していた場合の罰則は?

営利目的で薬物を所持していた場合の罰則は?

薬物を他人に販売・譲渡して利益を得る「営利目的」で薬物を所持していた場合には、重い刑罰を科される可能性が高くなっています。

営利目的の薬物所持は、社会に薬物を蔓延させる危険のある重大な犯罪であるため、単純所持と比較して重く処罰されるのです。

この記事では、営利目的とは何かを説明したうえで、薬物の種類ごとの営利目的所持の罰則をわかりやすく解説します。

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目次

薬物犯罪における「営利目的」とは

薬物犯罪における「営利目的」とは、薬物を他人に譲り渡す、輸出するなどの手段で金銭や何らかの財産上の利益を得る目的があることを意味します。

「営利目的」は、実際に利益が出たか否かに関わらず、利益を得る目的があった時点で認定されます。

「営利目的」は主観的なもので、目に見えるものではありません。薬物犯罪の捜査・裁判では以下のような客観的事実から「営利目的」を認定します。

営利目的を認定する際に考慮される主な事情
  • 個人で使用するとは考えられないほど所持量が多い
  • 薬物を小分けするための計量器や空のパケなどを大量に所持している
  • 携帯電話に薬物の取引を疑わせるやり取りが残っている
  • 生活状況や職業に見合わないほど多額の現金を所持している

「営利目的」が認められるか否かによって適用される罰則は変わりますし、実際の刑罰の重さにも大きな影響を与えます。

薬物の種類ごとの営利目的所持の罰則

ここでは、薬物の種類ごとに単純所持と営利目的所持の罰則を比較して紹介します。

覚せい剤(覚醒剤取締法)

単純所持10年以下の拘禁刑
営利目的所持1年以上の有期拘禁刑または情状により1年以上の有期拘禁刑および500万円以下の罰金

覚せい剤の場合、単純所持では10年以下の拘禁刑であるのに対し、営利目的では1年以上(20年以下)の有期拘禁刑となり、大幅に罰則が強化されています。さらに、拘禁刑に加えて罰金刑が併科される可能性もあります。

ヘロイン(麻薬及び向精神薬取締法)

単純所持10年以下の拘禁刑
営利目的所持1年以上の有期拘禁刑または情状により1年以上の有期拘禁刑および500万円以下の罰金

ヘロインの所持は、麻薬及び向精神薬取締法の規制対象です。他に同法の規制対象となる大麻、コカイン、MDMAなどと比較して罰則は重く、覚せい剤と同等の罰則となっています。

大麻、コカイン、MDMAなど(麻薬及び向精神薬取締法)

単純所持7年以下の拘禁刑
営利目的所持1年以上10年以下の拘禁刑または情状により1年以上10年以下の拘禁刑および300万円以下の罰金

大麻、コカイン、MDMAなどは、単純所持では7年以下の拘禁刑であるのに対し、営利目的では1年以上10年以下の拘禁刑に罰則が強化されています。さらに、拘禁刑に加えて罰金刑が併科される可能性もあります。

従来、大麻の所持は大麻取締法によって規制されていました。同法では、大麻の単純所持は5年以下の拘禁刑とされており、麻薬及び向精神薬取締法に比べて軽い罰則でした。

しかし、令和5年12月の法改正により大麻使用罪が新設されるとともに、大麻の所持に対する罰則も強化されています。

かつて広まっていた「大麻の使用は処罰されない」「大麻は他の薬物より軽い」といった認識は、現在では明らかに誤りです。

危険ドラッグ(医薬品医療機器等法)

単純所持3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科
営利目的所持5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科

医薬品医療機器等法における指定薬物に指定された危険ドラッグについては、医薬品医療機器等法による規制対象となります。

単純所持の場合は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科、営利目的所持の場合は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科と、いずれも重い処罰が科されます。

危険ドラッグは、他の薬物に比べて安易に手を出してしまう人も少なくありません。しかし、危険ドラッグの所持や営利目的所持も重い処罰の対象となります。甘い考えで手を出すと、大きなリスクを負うことになります。

なお、最近ニュースで耳にすることの多い「ゾンビたばこ」の所持も医薬品医療機器等法による規制対象です。ゾンビたばこの成分であるエトミデートは、令和7年5月に指定薬物に指定されました。

シンナー

吸入・摂取目的の所持1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはこれらの併科
吸入・摂取目的の者への販売2年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはこれらの併科

営利目的の薬物犯罪で逮捕されたらどうなる?

これまで説明したとおり、薬物の営利目的所持は単純所持と比較して重い罰則が規定されています。単純所持の場合と比較して、営利目的所持で逮捕された際に想定されるリスクとしては、次のものが挙げられます。

想定される主なリスク
  • 勾留期間が長引く
  • 保釈請求が認められにくくなる
  • 初犯でも実刑となるリスクが高くなる

初犯の場合、薬物犯罪の単純所持では執行猶予となる可能性が高くなっています。

しかし、営利目的所持では、初犯でも実刑となるリスクが十分にあります共犯者や顧客との関係を明らかにするため、勾留期間が長くなる傾向があり、起訴後の保釈請求も認められにくくなります。

まとめ

薬物の営利目的所持は、単純所持と比べて重い罰則の対象となります。初犯であっても実刑判決となる可能性が高く、少しでも刑罰を軽くするためには、逮捕から判決に至るまで一貫した弁護活動が重要です。

薬物の営利目的所持の疑いをかけられてお困りの方は、できるだけ早く弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

赤坂ユスト法律事務所では、薬物事件の経験が豊富な弁護士が丁寧に対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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