警察の取調べ(事情聴取)について

警察の取調べ(事情聴取)について

犯罪の嫌疑がかけられると、警察は被疑者の取調べ(事情聴取)を行います。事情聴取ではどのようなことを聞かれるのか、また答えた内容がその後の手続きにどう影響するのかなど、取調べに対して疑問や不安を感じる方も少なくありません。

そこで以下では、警察による取調べについて説明します。

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目次

警察の取調べとは

警察の取調べとは、犯罪の嫌疑がある者や、事件に何らかの関係があるとされる者に対して、警察官などの捜査機関が事情を聴く手続きです。取調べは、証拠の収集事実関係の確認、そして事件の真相解明を目的として行われます。逮捕・勾留前に任意で警察署などに呼び出されて取調べられる場合もありますし、逮捕・勾留された後は拘置所から警察や検察に出向いて取調べが行われます。

警察が取調べをする根拠

刑事訴訟法第197条では、捜査機関は必要があるときに被疑者や参考人などに対して取調べを行えると定められています。ただし、取調べは適正に行う必要があり、強制するなど違法な手段は許されていません。任意で呼び出された場合には、拒否することも法律上は可能ですが、取調べを拒否すると罪証隠滅・逃亡のおそれがあるとして逮捕の原因となったり、刑事事件で不利な扱いを受けることもあります

取調べの内容は供述調書となり証拠として使われる

取調べで話した内容は「供述調書」として記録されます。この調書は、後の刑事手続きで証拠として使われる可能性が高いです。供述調書が作成される際には、その内容が読み上げられ、署名・押印を求められます。署名・押印をすると、その内容を認めたことになるので、記載内容に誤りや誘導がないかの慎重な確認が必要です。無理に署名を求められた場合でも、納得がいかなければ修正を求めたり、署名を拒否することができます。

取調べの基礎知識

では取調べについての基礎知識を確認しましょう。

取調べで聞かれること

取調べでは主に、事件に関する事項被疑者の身上に関する事項が聞かれます。

事件に関する事項としては、次のことが聞かれます。

取調べで聞かれる事件に関する事項
  • 犯罪に関する事項
  • 犯罪の動機
  • 共犯者の有無

被疑者の身上に関する事項としては主に被疑者の生い立ちが聞かれます。

被疑者の身上に関する事項は、起訴・不起訴の処分や情状酌量の判断材料となります。

取調べを断れる?

任意の取調べであれば、断ることは可能です。

警察官に「これは任意ですか?」と確認し、任意であればその場を離れることもできます。ただし、強引に引き止められるケースもあるため、早めに弁護士に連絡するのが望ましいです。

取調べを断った場合、罪証隠滅や逃亡のおそれがあると判断され、逮捕・勾留につながることもあります。また、反省がないなどとして情状に影響することがあります。

取調べで黙秘権を行使するとどうなる?

黙秘権は憲法で保障された正当な権利であり、取調べで答えたくないことに対しては黙っていることができます。

ただし、黙秘をすることで罪証隠滅・逃亡のおそれがあるとして逮捕・勾留される可能性があるほか、反省のない態度と見なされ情状に影響することがあります。

取調べで嘘をつくとどうなる?

被疑者が取調べで嘘をついた場合、それ自体が犯罪になるわけではありません

しかし、嘘をついたことで、罪証隠滅・逃亡のおそれがあるとして逮捕・勾留につながったり、反省のない態度と見なされ情状に影響することがあります。

また、やっていないことについて嘘の自白を強要された場合には、供述としてその事実が認定されてしまうことがあります。

取調べ室はどんなところ?

取調べ室は、机と椅子が置かれた簡素な部屋で、録音・録画装置が設置されていることもあり、取調べの会話は記録されます。取調べ室では警察官が2名以上で対応することが多い一方、弁護士などの立ち会いは基本的に認められていません

取調べはどのくらいの時間行われる?

取調べの時間は案件や取調べの必要性によって異なります。1回あたり数時間に及ぶことも珍しくありません。この場合、長時間取調べを続けることは違法となる可能性があるため、2〜3時間ごとに休憩を挟むのが通常です。

取調べ中に外部との連絡は取れる?

任意の事情聴取であれば、取調べの合間に家族や弁護士と連絡を取ることは可能です。ただし、警察署の設備や担当者の判断によっては制限されることもあります。

逮捕・勾留中であれば、外部との接触には制限がかかることが多く、接見禁止処分がつくと弁護士以外との連絡が取れない場合もあります。取調べ前に弁護士に相談しておくことをおすすめします。

ドラマのような警察官の取調べは実際にある?

取調べにおける警察官の態度として、ドラマで被疑者の頭を掴む・被疑者が座っている椅子を蹴り上げる、あるいは古いものだと被疑者を殴るといった行為が描かれているのを目にするでしょう。このような方法で行った取調べは違法となるので、実際には行われません。しかし、威圧的な雰囲気で被疑者にプレッシャーをかけてきたり、友好的な雰囲気で供述を引き出そうとすることもあるので注意が必要です。

まとめ|取調べに応じる前に弁護士に連絡を

警察の取調べは、対応を誤ると取り返しのつかない事態に発展する可能性があり、注意が必要です。

取調べを受けることになった場合は、今の状況ややるべきことを把握して、警察からの質問への対応をしっかり考えて臨まなければなりません。取調べに応じる前は、必ず弁護士に相談することをおすすめします。

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