家族が逮捕された場合、弁護士を雇うべきか、誰かに連絡が必要か、その他何か対応が必要かを確認するために、面会を検討する方も多いでしょう。
そこで以下では、家族が逮捕された場合に家族と面会(接見)はできるのか、について解説します。
逮捕・勾留された場合の家族との面会(接見)について
逮捕・勾留された場合、家族との面会(接見)はできるのでしょうか。
逮捕・勾留の流れ
犯罪を行った人が逮捕されると、逮捕後48時間以内に検察庁へ送致され、さらに24時間以内に裁判官によって「勾留」が決定されるか否かが判断されます。勾留が認められると、最大10日間(延長でさらに10日)の身体拘束が続く可能性があります。この間に不起訴とされるか、起訴されるかが決まるので、非常に重要な時間であるといえます。
面会ができるのは勾留された後
家族が本人と面会できるのは、勾留が決定されてからです。逮捕直後の段階では、弁護士以外の者との面会は許されていません。これは逮捕が最大で72時間と非常に限られていることや、家族と連絡を取ることで罪証隠滅が行われないようにするためです。
家族や知人など、一定の要件を満たした者であれば面会が可能です。
接見禁止決定が出ると面会できない
勾留後でも、罪証隠滅のおそれがある場合には、接見禁止決定が出されることがあります。この決定が出ると、弁護士以外の人物との面会は引き続き禁止されます。また、接見禁止期間中は、手紙のやりとりや差し入れも制限されることがあります。ただし、接見禁止が決定されても、弁護士との面会は引き続き可能です。
接見禁止決定は次のような場合に行われやすいです。
- 犯罪を否認している
- 共犯者がいる可能性がある場合
- 特殊詐欺などの組織犯罪
- 覚せい剤等の譲渡・譲受事件
- 暴力団関係の事件
面会の場所
面会は身柄拘束されている警察署または拘置所の指定された面会室で行われます。ほとんどのケースで警察署で身柄拘束されているのですが、まれに拘置所に身柄拘束されている場合があります。被疑者とはアクリル板などで仕切られ、直接接触することはできません。また、面会中は警察官などが立ち会い、会話の内容が監視されます。
面会の日時
面会できる日時は施設によって異なりますが、多くの場合土日祝日を除く午前9時〜午後4時の間に限られます。また、取調べや実況見分で面会ができない場合もあるので、事前に警察署に連絡をして確認しておくのが望ましいです。通常、1回の面会時間は15分〜30分程度で、長時間面会できるわけではありません。
手紙のやりとり
本人との間で手紙のやりとりを行うことも可能です。ただし、手紙の中身は必ず確認されるので、以下のような内容が含まれる場合には、削除を求められたり手紙のやりとり自体が認められない場合もあります。
- 暗号が用いられるなどして警察等で理解できない内容がある場合
- 施設の規律や秩序を乱すおそれがある内容が含まれていると判断された場合
- 罪証隠滅の結果を生ずるおそれがある内容などがある場合
逮捕・勾留された家族への差し入れ
逮捕・勾留された家族にも差し入れ自体は可能です。ただし、差し入れには一定のルールがあるため、それに従う必要があります。差し入れは警察署や拘置所に訪問して行うほか、郵送でも行うことができます。もっとも、差し入れをする人の氏名が明らかでないなどのルールに違反する場合には、引き取りを求められることがあります。
差し入れできるもの・できないもの
差し入れできるもの・できないものは、次のとおりです。
- 衣類(フードや紐がないもの)
- 洗面用具(歯ブラシ・タオルなど)
- 書籍(内容を確認される)
- 手紙(内容を確認される)
- 現金(勾留中の日用品購入などに使用)
- フードや紐がある衣類
- 食べ物
- 不適切な書籍・手紙
なお、差し入れできるものでも数量に制限があり、超過した場合は引き取りを求められることがあるため注意しましょう。
差し入れすると喜ばれるのは現金
勾留中は売店などで日用品や嗜好品(ジュース・お菓子など)を購入できます。そのため現金の差し入れは非常に喜ばれます。食べ物は差し入れできませんが、売店で食事やジュース・お菓子なども購入できます。現金の差し入れについても、金額に制限があるため、必ず施設に確認しましょう。
まとめ
逮捕・勾留された家族と面会(接見)は可能かについて解説しました。
家族が逮捕された場合、逮捕期間中の72時間は面会はできませんが、勾留後には接見禁止決定が出ていなければ面会は可能です。起訴されるまでのこの期間は非常に貴重で、適切な対応を取る必要があります。弁護士に依頼し、不起訴処分を目指すための適切な対応をしてもらいましょう。