はじめに
窃盗事件で警察から連絡を受けた方や、ご家族から、- 示談をすれば不起訴になりますか。
- 店舗へ謝罪に行った方がいいですか。
- 被害金額を返せば事件は終わりますか。
- 示談金はいくらくらいですか。
窃盗事件では、示談が重要な意味を持つことがあります。
もっとも、 「お金を払えば必ず不起訴になる」 というものではありません。
また、自己判断で店舗へ連絡したことにより、かえって対応が難しくなるケースもあります。
本記事では、窃盗事件における示談の意味や、不起訴との関係、注意点について解説します。
示談とは
示談とは、被害者と加害者が話し合いによって事件を解決することをいいます。窃盗事件では、
- 被害弁償
- 示談金
- 謝罪
- 宥恕(許す意思)
もっとも、示談内容は事件によって異なります。
窃盗事件では示談が重要になる理由
検察官は、- 被害回復がされているか
- 被害者の処罰感情
- 再犯可能性
特に初犯事案では、示談が処分判断に影響することも少なくありません。
示談が成立すれば不起訴になるのか
結論として、 必ず不起訴になるわけではありません。例えば、
- 常習性がある
- 被害額が大きい
- 前科前歴がある
- 余罪が多数ある
一方で、
- 初犯
- 被害弁償済み
- 示談成立(宥恕あり)
- 更生環境が整っている
示談に関しましては、過去の記事もご参照ください。
>>刑事事件における示談交渉のメリットと進め方
自己判断で店舗へ連絡してはいけない理由
「すぐに謝りに行った方がいい」 と思われる方も少なくありません。 しかし、実務上はおすすめできません。 例えば、- 店長へ直接電話する
- 店舗へ訪問する
- 現金を持参する
- 被害者へ何度も連絡する
相手方の対応次第では、新たなトラブルへ発展する可能性もあります。
被害弁償だけでは足りないこともある
窃盗事件では、 「商品を返した」 「代金を支払った」 だけで終わるとは限りません。検察官は、
- 被害回復
- 被害者感情
- 事件後の対応
そのため、被害弁償のみで安心することはできません。
示談交渉はどのように進めるのか
事件によって異なりますが、一般的には、
① 被害者側の意向確認
↓
② 示談条件の調整
↓
③ 示談書の作成
↓
④ 示談金・被害弁償金の支払
↓
⑤ 示談成立
という流れになります。
示談金はいくらくらいなのか
「示談金の相場はいくらですか。」 というご質問もよくあります。もっとも、
- 被害額
- 被害内容
- 被害者の意向
- 事件の経緯
個別の事情に応じて検討する必要があります。
示談以外に重要となる事情
窃盗事件では、示談だけではなく、- 初犯かどうか
- 前科前歴
- 生活状況
- 再犯防止策
- 家族の監督状況
やってはいけない行動
被害店舗へ直接謝罪する
自己判断で謝罪へ行くことはおすすめできません。現金を持って突然訪問する
店舗側が対応に困るケースもあります。証拠を処分する
被害品やレシートなどを処分することは避けるべきです。関係者と口裏合わせをする
供述の信用性を損なう可能性があります。実務上の感覚
私がこれまで取り扱ってきた窃盗事件では、適切な時期に示談交渉を進めることで、事件解決へ至ったケースも数多くあります。一方で、 「自分で店舗へ電話してしまった」 「突然謝罪へ行ってしまった」 というケースでは、その後の対応が難しくなることもあります。 示談は重要ですが、進め方も同じくらい重要です。
よくある質問
Q 商品を返せば事件は終わりますか?
それだけで事件が終了するとは限りません。刑事手続は別に進行します。
Q 示談すれば前科は付きませんか?
不起訴となれば前科は付きません。もっとも、示談成立だけで不起訴が保証されるわけではありません。
Q 店舗へ謝罪へ行ってもいいですか?
自己判断での訪問はおすすめできません。まずは弁護士へ相談することをおすすめします。
Q 初犯なら不起訴になりますか?
初犯であることは有利な事情ですが、それだけで不起訴になるわけではありません。事件全体の事情を踏まえて判断されます。
まとめ
窃盗事件では、示談が重要な意味を持つことがあります。 もっとも、【示談成立=不起訴】 ではありません。また、
- 被害店舗へ直接連絡する
- 自己判断で謝罪へ行く
- 証拠を処分する
窃盗事件で警察から連絡を受けた方や、ご家族が対応に悩まれている方は、できるだけ早い段階で弁護士へご相談ください。