刑事事件
2026/07/16

ホテルへ行った後にブロックされたら警察から連絡が来る?|不同意性交事件の可能性を弁護士が解説

はじめに

マッチングアプリで知り合った相手と食事をし、お酒を飲み、そのままホテルへ行った。
その日は特にトラブルもなく解散したものの、翌日になってLINEを確認すると相手からブロックされていた。

「何か気に障ることをしてしまったのだろうか。」
「もしかして警察へ相談されたのではないか。」
「このまま警察から連絡が来ることはあるのだろうか。」

このような不安からインターネットで情報を検索される方は少なくありません。
実際、当事務所にも、マッチングアプリなどで知り合った相手と初めて会った当日に性的関係となり、その後突然ブロックされてしまい、警察から連絡が来るのではないかというご相談が寄せられることがあります。
もっとも、ホテルへ行った後にブロックされたからといって、直ちに被害届が提出されていたり、警察が捜査を開始していたりするとは限りません。
一方で、男女間の認識の違いが後になって問題となり、警察から連絡を受けるケースがあることも事実です。
特に近年では、マッチングアプリを利用した出会いが一般的となり、初めて会った当日に性的関係を持った後、双方の認識の違いから刑事事件へ発展するケースもみられます。
本記事では、ホテルへ行った後にブロックされた場合に考えられることや、どのようなケースで警察から連絡を受ける可能性があるのか、現在の段階で注意すべき行動について解説します。
刑事事件でお困りの方は
当事務所へご相談ください!

ブロックされたからといって事件になるとは限らない

相手から突然ブロックされると、 「警察へ相談されたのではないか。」 と強い不安を感じる方も少なくありません。
しかし、ブロックされたという事実だけで、被害届が提出された、あるいは刑事事件になったと判断することはできません。
例えば、
  • 恋愛感情がなくなった
  • 価値観が合わないと感じた
  • 今後連絡を取りたくないと思った
  • 他に交際相手ができた
など、ブロックする理由はさまざまです。
実際には事件とは関係なく連絡を絶つケースもあります。
そのため、 「ブロックされた=事件になった」 と決めつけることは適切ではありません。
一方で、 「ブロックされたから絶対に大丈夫」 とも言い切れません。

相手が後日警察へ相談し、一定期間経過してから警察から連絡を受けるケースもあるためです。
ブロックされたという一点だけを根拠に相手の意図を推測し、自己判断で行動することは避けるべきでしょう。

一方で、後日警察から連絡を受けるケースもある

ホテルへ行った当日は何事もなく解散し、その後もしばらく通常どおり連絡を取り合っていたにもかかわらず、後日警察から連絡を受けるケースがあります。
相手がその日のうちに警察へ相談するとは限りません。
例えば、
  • 家族へ相談した
  • 友人へ相談した
  • 時間の経過とともに被害感情が強くなった
  • 弁護士へ相談した結果、警察へ相談することを決めた
など、さまざまな経緯があります。
そのため、
  • 「普通にLINEをしていた。」
  • 「また会う約束をしていた。」
  • 「数日後に突然ブロックされた。」
という事情があったとしても、後日になって警察から連絡を受ける可能性を完全に否定することはできません。
もっとも、これも個別の事情によって異なります。
ブロックされたという事情だけで、事件化していると判断することは適切ではありません。

メッセージのやり取りは重要な資料となることがある

マッチングアプリをきっかけとした事案では、LINEやDMだけでなく、マッチングアプリ内のメッセージも事実関係を確認するための重要な資料となることがあります。
例えば、
  • 会う約束をした経緯
  • ホテルへ行くまでのやり取り
  • 当日の待ち合わせ
  • 解散後のメッセージ
  • 後日のやり取り
などです。
特に、
  • 「その後も普通に連絡を取り合っていた。」
  • 「また会う約束をしていた。」
という事情は、その後問題となることがあります。
もっとも、一部のスクリーンショットだけで結論が決まるわけではありません。
実務では、前後のやり取りを含めた全体の流れを踏まえて検討されることになります。
そのため、不安だからといってLINEを削除したり、マッチングアプリを退会したりすることはおすすめできません。
後に事実関係を整理するための重要な資料となる可能性があります。

飲酒を伴うケースでは慎重な対応が必要

マッチングアプリで知り合った相手とは、食事や飲酒を伴うことも少なくありません。
しかし、飲酒があった事案では、
  • どの程度飲酒していたのか
  • 受け答えはできていたのか
  • 会話は成立していたのか
  • 歩行に問題はなかったのか
  • 酩酊していたといえる状況だったのか
などが問題となることがあります。
「相手も飲酒していたから問題ない。」 と考える方もいますが、飲酒していたという事実だけで結論が決まるわけではありません。
飲酒量や当時の状況などを含め、個別具体的な事情が検討されます。
また、ご自身も飲酒していて記憶が曖昧な場合には、自己判断で説明をまとめるのではなく、まず当日の行動を整理することが重要です。

このようなケースでは慎重な対応が必要

実務上、次のような事情がある場合には、後日トラブルへ発展する可能性があるため慎重な対応が求められます。

初めて会った当日にホテルへ行った

初対面同士では、お互いの考え方や価値観を十分に理解できていないことがあります。 そのため、一方では「当然に同意があった」と考えていても、他方では異なる認識を持っている場合があります。

飲酒量が多かった

双方またはいずれか一方が多量の飲酒をしていた場合には、当時の状況が重要な争点となることがあります。

年齢確認が十分ではなかった

プロフィール情報だけを前提に年齢を判断するのではなく、必要に応じて十分な確認を行うことが重要です。

相手がためらっている様子だった

明確な拒否がなかったとしても、
  • 迷っている
  • ためらっている
  • 嫌がっているように見える
場合には、慎重な対応が必要です。

トラブルを避けるために注意したいこと

男女間のトラブルを完全に防ぐことは難しいものの、次のような点を意識することで、不要なトラブルを避けられる場合があります。
まず、初対面で大量の飲酒をすることは避けた方がよいでしょう。
飲酒量が増えるほど、お互いの認識に違いが生じる可能性があります。
また、相手がためらっている様子や迷っている様子が見られる場合には、無理に関係を進めようとしないことが重要です。
さらに、プロフィール情報だけを前提に相手の年齢を判断するのではなく、必要に応じて十分な確認を行うことも大切です。
初めて会った当日に性的関係を持つケースでは、後になって認識の違いが問題となることもあります。
その場の雰囲気だけではなく、相手の意思や様子を十分に尊重することが、トラブルを避ける上で重要といえるでしょう。

警察から連絡が来たらどうなるのか

ホテルへ行った後に相手からブロックされ、 「このまま警察から連絡が来るのではないか。」 と不安になる方も少なくありません。
もっとも、警察から連絡が来たからといって、直ちに逮捕されるわけではありません。
一般的には、
  • 電話で事情を確認される
  • 警察署への出頭を求められる
  • 任意で事情聴取を受ける
といった流れで捜査が始まるケースもあります。
その後の手続は、
  • 事案の内容
  • 証拠関係
  • 当事者双方の供述
などによって異なります。
また、不安から自己判断で対応してしまう方もいますが、初動対応がその後の捜査や処分に影響することもあります。
詳しい流れについては、関連記事をご覧ください。

逮捕されることはあるのか

相談者の方から最も多くいただく質問の一つが、 「逮捕されるのでしょうか。」 というものです。
もっとも、警察から連絡が来たからといって、必ず逮捕されるわけではありません。
例えば、
  • 呼出しに応じている
  • 住所や勤務先が明らかである
  • 逃亡や証拠隠滅のおそれが低い
といった事情がある場合には、在宅事件として捜査が進むケースもあります。
一方で、
  • 警察からの呼出しを無視する
  • 相手へ接触しようとする
  • メッセージや資料を削除する
などの行動は、その後の対応に影響する可能性があります。
逮捕されるケースや在宅事件となるケースについては、関連記事で詳しく解説しています。

家族や会社へ知られることはあるのか

「家族や会社へ知られてしまうのではないか。」 という不安を抱える方も少なくありません。
在宅事件として捜査が進む場合には、直ちに会社や家族へ連絡が行くとは限りません。
もっとも、
  • 逮捕された場合
  • 家宅捜索が行われた場合
  • 家族の協力が必要となる場合
などには、ご家族が事件を知ることがあります。
また、状況によっては、ご家族の理解や協力がその後の対応において重要となることもあります。
詳しくは関連記事をご覧ください。

現在の段階でやってはいけない行動

ホテルへ行った後にブロックされると、不安から何らかの行動を起こしたくなる方もいます。
しかし、自己判断による対応はおすすめできません。

別の方法で相手へ連絡する

LINEをブロックされたため、 SNSや別のアカウント、電話やメールなどを利用して連絡を取ろうとする方がいます。
しかし、このような行為は、相手に心理的な負担を与えたり、その後問題となったりする可能性があります。

共通の知人を通じて連絡を取ろうとする

「何があったのかだけ確認したい。」 という理由で、共通の知人へ事情を尋ねたり、相手へ連絡を取ってもらったりする方もいます。
もっとも、このような行為も、実質的に相手へ接触を図ったものと受け取られる可能性があります。
自己判断で第三者を介して連絡を試みることは避けた方がよいでしょう。

メッセージやアプリを削除する

「証拠が残らない方がよいのではないか。」 と考え、
  • LINEを削除する
  • マッチングアプリを退会する
  • メッセージを消去する
といった行動を取る方もいます。
しかし、これらのやり取りは、後に事実関係を整理するための重要な資料となることがあります。
また、状況によっては証拠隠滅を疑われる可能性もあるため、自己判断で削除することはおすすめできません。

SNSへ投稿する

事件に関する内容や相手との出来事をSNSへ投稿することは避けるべきです。
投稿内容によっては、関係者へ伝わったり、その後の捜査や示談交渉へ影響したりする可能性があります。

現在の段階で整理しておきたいこと

警察からまだ連絡が来ていない場合であっても、不安を感じているのであれば、記憶が新しいうちに当日の状況を整理しておくことが重要です。
例えば、
  • いつ会ったのか
  • どこで待ち合わせをしたのか
  • 飲酒の有無や量
  • ホテルへ行った経緯
  • 解散後のやり取り
  • 利用した交通機関
  • ホテルの利用履歴
  • レシートや決済履歴
などを時系列で整理しておくと、後に役立つ場合があります。
また、LINEやマッチングアプリ内のメッセージ、写真などについても、自己判断で削除せず、そのまま保管しておくことが望ましいでしょう。

示談はできるのか

不同意性交事件では、事案によって示談が重要となることがあります。
もっとも、 「早く謝罪したい。」 「誤解を解きたい。」 という理由で、相手へ直接連絡することはおすすめできません。
直接連絡を行うことで、
  • 精神的な圧力を受けた
  • 口止めをされた
  • 接触を図られた
などと受け取られる可能性があります。
示談については、事案全体を踏まえながら慎重に進める必要があります。
詳しくは関連記事をご覧ください。

不起訴になる可能性はあるのか

不同意性交事件であっても、すべての事件が起訴されるわけではありません。 処分を判断する際には、
  • 事実関係
  • 証拠関係
  • 示談の有無
  • 前科前歴
  • 事案の内容
など、さまざまな事情が総合的に考慮されます。
不起訴について詳しく知りたい方は、関連記事をご覧ください。

よくある質問

Q:ホテルへ行った後にブロックされました。警察へ相談されているのでしょうか。

ブロックされたという事情だけで、警察へ相談されていると判断することはできません。
一方で、後日になって警察へ相談されるケースもあるため、自己判断で結論を出さないことが大切です。

Q:ブロックされたので、別のSNSから謝罪してもよいでしょうか。

おすすめできません。
自己判断で別の方法から連絡を試みることは避けるべきです。

Q:アプリを退会した方がよいでしょうか。

おすすめできません。
過去のやり取りが確認できなくなる場合があり、事実関係を整理する上で重要な資料を失う可能性があります。

Q:相手から連絡が来なくなっただけでも弁護士へ相談できますか。

もちろん相談可能です。
警察からまだ連絡が来ていない段階であっても、事実関係を整理し、今後の対応について相談することで、不安が軽減されるだけでなく、その後の対応方針を適切に検討できる場合があります。

まとめ

ホテルへ行った後に相手からブロックされると、 「警察へ相談されたのではないか。」 と強い不安を感じる方も少なくありません。
もっとも、ブロックされたという事情だけで、直ちに事件になっていると判断することはできません。
一方で、マッチングアプリなどで知り合い、初めて会った当日に性的関係を持った後、後日になって警察から連絡を受けるケースがあることも事実です。
実際に当事務所でも、このような経緯でご相談いただくケースがあります。 そのため、
  • 相手へ直接連絡する
  • 別の方法で接触を試みる
  • 共通の知人を介して連絡を取ろうとする
  • メッセージやアプリを削除する
  • SNSへ事件について投稿する
といった行動は避けるべきです。
まずは記憶が新しいうちに当日の状況を整理し、関係資料を保管した上で、今後の対応について検討することが重要です。
不安がある場合には、警察から連絡が来る前の段階であっても、早めに弁護士へ相談することで、状況に応じた適切な対応方針を検討できる場合があります。
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