はじめに
ある日突然、 「○○警察署ですが、お話を伺いたいことがあります。」 という電話を受けると、多くの方は強い不安を感じます。痴漢事件では、
- 電車内で被害を申告された
- 駅員室で事情を聞かれた
- 後日、警察から電話があった
- 被害者が後から被害届を提出した
当事務所にも、
- 「もう逮捕されるのでしょうか。」
- 「会社へ知られてしまいますか。」
- 「前科が付いてしまいますか。」
- 「警察へ行く前に弁護士へ相談した方がよいでしょうか。」
もっとも、警察から連絡が来たからといって、必ず逮捕されるわけではありません。
実際、痴漢事件では在宅事件として捜査が進むケースも少なくありません。
本記事では、痴漢事件で警察から連絡が来た場合の流れや、逮捕されるケース、現在の段階で注意すべき行動について解説します。
痴漢事件ではどのような場合に警察から連絡が来るのか
痴漢事件では、その場で現行犯として対応される場合もあれば、後日になって警察から連絡を受ける場合もあります。例えば、
- 被害者が後日被害届を提出した
- 駅の防犯カメラなどから身元が判明した
- ICカードの利用状況などから特定された
- 被害者や関係者の供述から身元が判明した
また、駅員室で事情を聞かれた後、その日は帰宅したものの、数日後に警察から出頭を求められるケースもあります。
駅員室へ行ったら必ず逮捕されるのか
痴漢事件で最も多い誤解の一つです。駅員室へ案内されたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。
実務上も、駅員室で事情を確認した後、
- 警察へ引き継がれるケース
- そのまま帰宅となるケース
もっとも、その日に帰宅できたからといって事件が終わったわけではありません。
後日、警察から連絡を受け、改めて事情聴取が行われることもあります。
警察から連絡が来たら必ず逮捕されるのか
結論からいえば、必ず逮捕されるわけではありません。痴漢事件では、在宅事件として捜査が進むケースも少なくありません。
例えば、
- 住所や勤務先が明らかである
- 呼出しに応じている
- 逃亡や証拠隠滅のおそれが低い
一方で、
- 呼出しを無視する
- 身元が判明していない
- 逃亡のおそれがある
在宅事件とは
在宅事件とは、逮捕・勾留されることなく、自宅で通常どおり生活しながら捜査が進む事件をいいます。在宅事件となった場合でも、
- 警察での事情聴取
- 書類送検
- 検察官による処分判断
「逮捕されなかったから安心」 というわけではありません。
在宅事件であっても、その後の対応が処分へ影響することがあります。
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痴漢事件では供述が重要になることがある
痴漢事件では、防犯カメラなどの客観的証拠が存在する場合もあります。もっとも、満員電車内などでは、映像だけで当時の状況が明確に確認できないケースも少なくありません。
そのため、実務では、
- 被害者の供述
- 本人の供述
その場の雰囲気に流されて事実と異なる内容まで認めてしまうと、その後の対応へ影響する可能性があります。
一方で、実際に行為を認める事案では、事実関係を踏まえた適切な対応を検討することが重要です。
まずは落ち着いて事実関係を整理することが大切です。
やってはいけない行動
呼出しを無視する
警察からの呼出しを無視し続けることは避けるべきです。逃亡のおそれがあると判断される可能性があります。
被害者を探そうとする
SNSや共通の知人などを通じて被害者へ接触しようとすることはおすすめできません。自己判断による接触は、その後の捜査や示談交渉へ悪影響を及ぼす可能性があります。
同じ時間帯・同じ電車を利用し続ける
在宅事件となった場合でも、可能であれば当面は同じ時間帯や同じ路線・車両の利用を避けることが望ましい場合があります。偶然被害者と接触することによる新たなトラブルを避けるためです。
SNSへ投稿する
事件についてSNSへ投稿することは避けるべきです。その後の捜査や示談交渉へ影響する可能性があります。
一人で判断して対応する
不安から自己判断で対応してしまう方もいますが、初動対応がその後の処分へ影響することもあります。早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
よくある質問
Q 警察から電話がありました。すぐ逮捕されますか。
必ず逮捕されるわけではありません。在宅事件として進むケースもあります。
Q 駅員室へ行きましたが、その日は帰宅しました。もう大丈夫でしょうか。
その日に帰宅した場合でも、後日警察から連絡が来ることがあります。Q 会社へ知られますか。
在宅事件では、直ちに会社へ連絡が行くとは限りません。もっとも、事案によって異なります。
Q 警察へ行く前に弁護士へ相談できますか。
もちろん可能です。事情聴取の前に相談することで、その後の対応について整理できる場合があります。
まとめ
痴漢事件で警察から連絡が来たからといって、必ず逮捕されるわけではありません。また、駅員室へ案内された場合でも、その場で帰宅できるケースはあります。
もっとも、
- 呼出しを無視する
- 被害者へ接触しようとする
- 同じ時間帯・同じ電車を利用し続ける
- SNSへ事件について投稿する
痴漢事件では、供述内容や初動対応が、その後の処分に影響することも少なくありません。
警察から連絡を受けた場合や、今後の対応に不安がある場合には、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。