はじめに
盗撮事件について調べていると、- 「撮影罪」
- 「迷惑防止条例違反」
相談者の方からも、
- 「自分はどちらになりますか。」
- 「何が違うのでしょうか。」
- 「どちらの方が重いのでしょうか。」
実際には、盗撮事件では事案によって適用される法律が異なります。
本記事では、撮影罪と迷惑防止条例違反の違いや、どのような場合に適用されるのかについて解説します。
撮影罪とは
撮影罪とは、正式には性的姿態等撮影罪などを定めた性的姿態撮影等処罰法による犯罪です。 令和5年(2023年)の法改正により新たに整備されました。従来は都道府県ごとに迷惑防止条例が適用されることが多くありましたが、現在では一定の盗撮行為について全国共通の法律が適用されるようになりました。
迷惑防止条例違反とは
迷惑防止条例は、各都道府県が定めている条例です。名称や内容には地域ごとの差がありますが、 公共の場所や公共交通機関などで行われる盗撮行為について適用されることがあります。
盗撮事件では現在でも迷惑防止条例違反が問題となるケースがあります。
どちらが適用されるのか
相談者の方から 「どちらになるのでしょうか。」 というご質問をいただくことがあります。もっとも、 一律に決まるものではありません。
例えば、
- 撮影場所
- 撮影方法
- 被写体
- 当時の状況
そのため、 「盗撮事件だから必ず撮影罪」 あるいは 「必ず迷惑防止条例違反」 というものではありません。
公共施設や会社での盗撮
会社の女子トイレや更衣室、 公共施設の女子トイレなどで盗撮が行われた場合には、 盗撮に関する罪だけではなく、 建造物侵入罪 が問題となるケースがあります。相談者の方の中には 「盗撮だけだと思っていた。」 と驚かれる方も少なくありません。
撮影場所によっては、 複数の犯罪が問題となる可能性があります。
街頭型と施設型では実務上の違いもある
盗撮事件では、 駅構内や商業施設などで行われた街頭型の事案と、 公共施設や会社などの施設内で行われた事案では、 実務上の取扱いが異なることがあります。街頭型では、 被害者の特定が難しいケースもあります。 一方、 施設型では、 撮影場所が特定されやすく、 押収されたスマートフォンの画像などをもとに補充捜査が行われるケースもあります。
前科は付くのか
相談者の方が最も気にされる点の一つです。撮影罪であっても、 迷惑防止条例違反であっても、 有罪となれば前科となります。
もっとも、 すべての事件が起訴されるわけではありません。 事案によっては不起訴となるケースもあります。
示談は重要なのか
盗撮事件では、 被害者との示談が重要となるケースがあります。もっとも、 「自分で謝罪したい。」 という理由で、 被害者へ直接連絡することはおすすめできません。
直接接触することにより、 新たな問題となる可能性があります。
やってはいけない行動
自分で罪名を決めつける
インターネットだけで、「これは撮影罪だ。」
「条例違反だけだ。」
と判断することは避けた方がよいでしょう。
被害者へ直接連絡する
自己判断による接触はおすすめできません。スマートフォンのデータを削除する
証拠隠滅を疑われる可能性があります。警察からの呼出しを無視する
呼出しに応じないことは避けるべきです。弁護士へ相談せず事情聴取へ行く
事情聴取での供述は、 その後の処分へ影響することがあります。よくある質問
Q 盗撮事件はすべて撮影罪になりますか。
いいえ。事案によっては迷惑防止条例違反が適用される場合もあります。
Q 撮影罪の方が重いのでしょうか。
個別事案によって異なります。適用される法律だけで結論が決まるわけではありません。
Q 建造物侵入罪も成立しますか。
会社や公共施設の女子トイレ、更衣室などへ立ち入った場合には、 建造物侵入罪が問題となるケースがあります。Q 不起訴になることはありますか。
はい。事案によっては不起訴となる可能性があります。
まとめ
盗撮事件では、 撮影罪と迷惑防止条例違反のいずれかが問題となることがあります。どちらが適用されるかは、
- 撮影場所
- 撮影方法
- 被写体
- 当時の状況
また、 会社や公共施設の女子トイレ、更衣室などで行われた盗撮では、 建造物侵入罪が問題となる場合もあります。
さらに、 施設型の盗撮では、 押収されたスマートフォン内の画像などをもとに補充捜査が行われるケースもあります。
盗撮事件では、 適用される法律だけではなく、 その後の捜査や初動対応も重要です。
警察から連絡を受けた場合や、盗撮事件について不安を抱えている場合には、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。